https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00142/00119/
ロードバイクと呼ばれるタイヤ幅の狭い自転車に乗っていた50代の男性が、側溝のスリットにタイヤがはまって転倒してけがをしたのは、道路の安全性に問題があったからだとして、道路を管理する岡崎市に治療費や慰謝料など計約57万円の損害賠償を求めた訴訟で、岡山地裁は4月24日、管理の瑕疵などを認め、市に約38万円の支払いを命じる判決を言い渡した。市は5月2日、判決を不服として広島地裁に控訴した。
男性は2016年6月9日午後8時半ごろ、岡山市内の市道ロードバイクで走行中に転倒し、左小指と肋骨を折るけがをした。
男性はこの市道を通勤時などに車で利用しており、当日も一旦車で帰宅したあと、会社に戻る用が生じたので、タイヤ幅2.3cmのロードバイクに乗って会社に向かった。男性が転倒したのは、岡山市北区大供本町の交差点の手前。片側2車線の車道の路肩(幅50cm)に設けられたコンクリート製の側溝を走行しているときだった。
側溝は、地元のコンクリート2次製品メーカーの既製品で、排水能力を高める目的で幅2cmのスリットを天端中央部に連続して設けている。この側溝について岡山地裁は、「(スリットが)コンクリート上の黒い直線と見え、それが隙間(溝)であると認識できない恐れのある形状」と指摘。隙間に向けて2%の勾配があるために、意識して直進走行しないと、徐々に隙間に近づいてしまう可能性があることも問題視した。
2cm程の幅の溝を自転車を運転している最中に認識し転倒を回避することを、咄嗟の判断ですることは簡単ではないと思われる。なぜ、自転車が通る際に隙間にはまり転倒するリスクを考えて設計をしなかったのか。
雨天時には特に転倒の起因になる可能性も視野に入れ、今後の対策が必要かと思う。