出産の分娩(ぶんべん)時にバランスボールに乗せられ転倒して子宮が破裂し、手術に使ったガーゼを体内に置き忘れられた上、生まれた男児が重い障害を負った後に死亡したとして、山梨県の夫婦が大阪市の産婦人科クリニックと医師に計約9千万円の損害賠償を求めた訴訟が、5日までに大阪地裁で和解した。クリニック側がミスを謝罪するとともに男児に哀悼の意を表し、解決金を支払う内容となっており、昨年12月13日付で和解。
提訴は平成30年8月。訴状によると原告の女性は、25年6月に破水してクリニックに入院。医師は分娩を促すため、ベッド上に置かれたバランスボールに覆いかぶさるよう、女性に指示した。女性はバランスを崩して転倒し、子宮が破裂。緊急の帝王切開手術の際、医師が女性の体内にガーゼを置き忘れ、再び開腹手術を余儀なくされた。生まれた男児は重度の脳性麻痺となり、27年2月に死亡した。
なぜ、バランスボールに乗せたあとにバランスを崩さないように支えなかったのか。バランスボール以外に安定したもので代用ができなかったのか。もしかしたら分娩時にバランスを崩すかもしれない。妊婦が自力でバランスボールで安定した態勢を保つのは難しいかもしれない。
などのリスクを精査していたら、本件の転倒などを未然に防止できていたのではないかと感じる。