病院で認知症患者が転倒。「転倒の恐れ予見できた」 県に532万円支払い命令

2023.1.4

県立西宮病院で認知症患者が転倒、重い障害「転倒の恐れ予見できた」県に532万円支払い命令  神戸

認知症患者の転倒負傷 訴訟判決に批判の声、ツイート噴出 夜間の職員配置など改善不可欠

県内の病院で2016年、認知症患者の男性=当時(87)=が廊下で転倒して重い障害を負ったのは、看護師が転倒を防ぐ対応を怠ったためとして、男性の家族が兵庫県に約2575万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が1日、神戸地裁であった。高松宏之裁判長は「転倒する恐れが高いことは予見できた」などとして、約532万円の支払いを命じた。

判決によると、男性は16年4月2日早朝、看護師に付き添われトイレに入った。看護師は男性が用を足す間に、別室患者に呼び出されて排便介助に対応。男性はその間にトイレを出て廊下を1人で歩き、転倒して外傷性くも膜下出血と頭蓋骨骨折のけがを負った。男性は2年後、心不全で亡くなった。

裁判長は判決で、認知症の男性から目を離せば、勝手にトイレを出て転倒する可能性が高いことが「十分に予見できた」と認定した。また、男性の状態と、別室患者がおむつに排便すれば問題がなかった状況などを比べ「優先しなければならなかったとは認められない」と指摘。男性は事故で寝たきりとなり、認知症が進んで両手足の機能全廃に至ったと認めた。

今回の事象の要因は、認知症患者を一人にしてしまい最後まで付き添わなかったことが原因と思われる。

別室患者の対応をする前に、目の前の患者の対応を済ませてから向かうことはできなかったのか。もしかしたら患者を一人にしてしまうと怪我をしてしまうかもしれないと予想できなかったのか。廊下で転倒を防ぐような処置は予めできなかったのか。夜間の人員不足を鑑みてスタッフの人員もできたのではないか。

優先順位と事前対策などで十分に防げた事象であると感じる。

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